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こりゃッないっしょ! 憐れなり…「名古屋城・本丸御殿」の障子 [日本・話題]

  先日は、名古屋城の雨の中の花見の記事を書かせて頂きました。
やはり桜の花は、そこそこの光量が無いと画像写りが良くなくって、桜か桃か分からないような画像、そして映像になってしまい、わざわざ雨の中を出かけて行ったのに、ちょいとばかり残念な結果となってしまいました。

  残念と言えば、こちらも相当に残念です。
三年前に第一期として一部が公開された「本丸御殿」、今年の六月一日ですからもうすぐですよねえ、真ん中部分の第二期公開が。

  三年前にこの「名古屋城・本丸御殿」へ行かれた方は、「ちょっと見学の規則が厳しすぎだよ!」
そう思われた方も多かったのではないでしょうか?
今でも、バックパックはコインロッカーに入れるか、前でしっかり抱えるように、なーんていう規則に反感を覚える方も多いのかもしれませんね。
でもねえ、それも仕方のない面も大いにあるんですよ、人間は厳しい規則をつくらないと何でもアリ…に勝手にしてしまう人がいますから。
見学の規則を厳しく決めたってこのザマです

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これは本丸御殿の「玄関」、そうです、虎と豹が描かれた「竹林豹虎図」がある部屋の前の障子です。
韓流仲間のえりなーさんを案内した昨年の2月22日にもひどくなってましたが、今年はそれよりももっとひどく憐れな状態になっていましたよ。
最初は子供の過ちによる小さな穴だったのが、今では故意に空けたとしか見られないような穴まであって、こんな状態なんですよねえ[もうやだ~(悲しい顔)]
〝故意に空けたとしか見られない〟ではなくって、完全に故意に決まってるじゃないですか、同じ場所ばかり過失の穴が空くもんですか!![ちっ(怒った顔)]
「ひとつ破れがあるんだから、かまわねえんじゃねえ」、今時のお馬鹿の声が聞こえてきそうです。

DSC_0123a.jpg

  名古屋城の本丸御殿は総工費が150億円、そのうちの50億円は地元の団体や個人の寄付によって賄われています。
一口に50億円って言いますが、どれだけの人達の善意が寄せられた額か想像がつくかと思います。
それだけ、戦争で誤って燃えてしまったこの御殿を甦らせ、その姿を後世に残したいという思いの結晶の強い現れでもあるわけです。
それが、たかだか500円の入城料だけで、メーグルやドニチエコを使えば400円です、そんな人たちが「規則が厳しい」だの「うるさすぎ」だのってぬかすんじゃねえよ!!!(と、心の中の悪い方のおいらが書け!と言いますもんでw)
注意されるのがうざけりゃ、されないようにマナーを守りゃ済む話しなんですから。

  上の写真の障子紙にしたって、高知の手漉きの和紙なんですよ。
職人さんが冷たい思いをしながら漉いた、本当に貴重なものなのです、それが悪戯でこんな姿にされたんじゃ、おいらは怒り心頭なんでがすよ。
最初の頃は、市の職員さんや学芸員さんたちが、原料である楮(こうぞ)を煮詰めて塞いでいたものです、ところが、それでは塞げないようなイビツな穴が空けられ、しかも初期の職員さんたちも移動して、何も携わっていなかった人達になって、そういう処理もなかなかできなくなってきたんでしょうね。

  いよいよ、第二期の公開がせまり、この二年後には全てが公開されます。
これから公開される場所は、絶対にこんな姿にしてはいけません![むかっ(怒り)]
美しい姿のままで、平成の世に完全復元された江戸時代初期の建物として、後世に残そうじゃありませんか、平成の世の人たちはマナーが良くて、素晴らしい人間だったんだなって、後世の人々に言ってもらえるように…。

  最後に、厳しく注意される「さわらない」は、この本丸御殿は総檜(ひのき)造りです、檜というのは多くの人の油に晒されると黒ずみがひどくなってしまいます。
だから、少しでも斑な汚い黒ずみが出ないように注意を促しているのです。
  そして、リュック・バックパックは、背中にしょっていると目が届かず、無意識でそれこそ障子や柱を傷付けかねないから預けてもらうようにしているのです。
  ストロボ禁止は、復元のための顔料が化学染料ではなく、昔のままの物に近い原料を使用しているために紫外線に弱く、色褪せなどを少しでも防ぐためなのです。
  そうなんです、ちゃんと建物や障壁画を守る理由の元に注意を促しているんですよ。

  このブログを読んでいる皆さんだけは、どうか「名古屋城・本丸御殿」を守ってあげてください、お願いします<(_ _)>



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